毒殺されて生まれ変わった聡明な公爵令嬢は、「君を殺したのは、俺なんだ」と告げる謎多き隣国の公爵子息に溺愛される
そして調べ始めて一時間が経った頃、あることに気づいた。

アルト様に関する書類が少なすぎる。

まるで、【故意に隠しているかのように】。

「アルト様」

「どうした」

「アルト様に関する書類が少ないのです。特に幼少期に関することが。・・・アルト様、書類を隠していませんか?」

「・・・・・・」

「答えて下さい!」

「・・・・一枚だけ隠した。但し、【一枚だけだ】」

アルト様の幼少期の書類はほとんど存在しなかった。

とても隠したのが一枚だけとは思えない。

しかし、アルト様が嘘をついているとも思えなかった。



その時、ある仮説が私の頭をよぎった。




ガチャ。




その瞬間、アルト様が書斎の鍵を部屋の内側から開ける。


「っ!?」


「この書斎は内側からも鍵が掛けられる」

「つまり、閉じ込めたのは自作自演だったのですか!?」

「ああ。・・・・もう、謎は解けたのだろう?そして、早く俺の母に確認したいことがあるはずだ」

アルト様がドアを開け、私を部屋の外へ追い出そうとする。
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