毒殺されて生まれ変わった聡明な公爵令嬢は、「君を殺したのは、俺なんだ」と告げる謎多き隣国の公爵子息に溺愛される
「あの・・・」

「どうしたの?リーネ」

このリーネットという少女の愛称はリーネなのだろう。

私の前の名前と同じなので、反応が遅れることがなくて助かる。


「どちら様ですの・・・?」


「リーネ、まさか記憶が・・・!」

両親の顔を見て、心苦しくなる。

ああ、やっぱり、記憶のあるふりをした方が良かったかしら?

でも、性格がリーネと全く違った場合説明が付かないでしょうし・・・

その後のリーネットの両親の行動は早かった。

すぐに医者を呼び、もう一度私の検査をさせた。

私は、言語や作法は分かるフリをした。

ある程度上手く誤魔化せられたのだろう。

医者は、記憶障害の診断を下した。
< 9 / 72 >

この作品をシェア

pagetop