僕はまだ此処にいる
桜が綺麗に咲き誇っている季節。
そんな時に君と出会った。
高校入学初日で友達がいない僕に、君の方から話しかけてきてくれた。当時の僕はえらくやさぐれていて、君が僕のことをからかいに来たんだと思った。
「貴方の名前はなんて言うの?」
なんて訊いてきたから、皮肉混じりに
「訊いてくる前に、まず君の方から名乗るのが礼儀じゃない?」
と言ってやった。
この時点で僕の方が礼儀知らずだったろう。だけど君はそんな僕の態度にも、にこにこ笑っていた。
「そうよね。私の名前は宮園桜子 ( ミヤゾノ サクラコ)っていうの。私桜が大好きでね。だから、桜っていう漢字が入ってることが嬉しいの。それで、貴方の名前は?」
「高峯李桜 (タカミネ リオ)」
素直に君が名前を言うから、僕もぼそっと小さな声で答えた。
すると君は僕の名前を呟きながら、顔を胸元に近づけてきた。女子にそんなことをされるのが初めてで、なんだか恥ずかしくなって「なんだよ」と冷たく言ってしまった。
それでもやっぱり君は笑顔で……。そんな君の顔を不覚にも綺麗だなと思ってしまった。
そんな時に君と出会った。
高校入学初日で友達がいない僕に、君の方から話しかけてきてくれた。当時の僕はえらくやさぐれていて、君が僕のことをからかいに来たんだと思った。
「貴方の名前はなんて言うの?」
なんて訊いてきたから、皮肉混じりに
「訊いてくる前に、まず君の方から名乗るのが礼儀じゃない?」
と言ってやった。
この時点で僕の方が礼儀知らずだったろう。だけど君はそんな僕の態度にも、にこにこ笑っていた。
「そうよね。私の名前は宮園桜子 ( ミヤゾノ サクラコ)っていうの。私桜が大好きでね。だから、桜っていう漢字が入ってることが嬉しいの。それで、貴方の名前は?」
「高峯李桜 (タカミネ リオ)」
素直に君が名前を言うから、僕もぼそっと小さな声で答えた。
すると君は僕の名前を呟きながら、顔を胸元に近づけてきた。女子にそんなことをされるのが初めてで、なんだか恥ずかしくなって「なんだよ」と冷たく言ってしまった。
それでもやっぱり君は笑顔で……。そんな君の顔を不覚にも綺麗だなと思ってしまった。