御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐
どこが地味なんだ。つまらない女なんだ。
俺をこんなに魅了するほどなのに。
俺だけが知っている赤斐さんの姿。
息を呑むほど綺麗だ・・・

「華・・・綺麗だよ」
恥ずかしそうに手で顔を覆う華。
その手を握り、愛おしむように、キスを何度も繰り返した後、華を見つめた。
「大好きだ。華」

時間をかけて、華の熱を確かめるように手を這わし、唇を落とす。
そして、華と繋がろうとした時・・・
あぁ・・・そうか、そうだよな・・・
俺が気付いたのと同時に、華はシーツを掴んでいた。

「初めて、だよね・・・」
静かに頷く華。
冷静な俺なら分かっていたはずなのに。
華を抱きたい一心で、気持ちを確かめずにいるなんて。
この俺が、1人の女に心を乱される。それも、我を見失うほどに・・・

「華・・・俺が初めての男でいいの?」
「はい・・・陸さん」
「陸じゃないだろ?」
俺は前髪を掻き上げて、少し怒った顔をして、華を見つめた。
「そうですね・・・空斗さん・・・初めては空斗さんがいいです」
「初めてだけじゃ済まないよ。これからずっとさ」
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