御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐
「どうかされましたか?」
私が驚いた顔をしてたから、その人は不思議そうにしていた。
「名前を・・・褒められた事が無かったものですから」
「そうですか・・・その人達は見る目が無いですね」
その男性は頬笑みながら、私の横に座った。

「難しい本を読んでるね」
「仕事で必要なものですから」
「あぁ、ここは、本当のビジネスで使う時は、気を付けないといけないよ」
そういいながら、詳しく説明してくれた。
まるで、空斗さんみたい・・・

「ここでは、皆さんにご迷惑をお掛けするから、教える代わりに、私とお茶でもしませんか?」
これくらいの年代の人なら、空斗さんも怒らないだろうし、是非聞きたい!
「お願いして宜しいですか?」
「えぇ、では行きましょう」

近くのカフェに着き、向かい合って座った。
「申し遅れました。私は太陽(たいよう)と言います」
「太陽さん・・・素敵なお名前ですね」
空斗、陸、そして太陽。私って、自然に縁があるのかな。
思わずクスッと笑った。
「どうかされましたか?」
「いえ、私の大切な人が、同じように自然の名前でして。ご縁があるなと」
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