御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐

「そうですか、それは偶然ですね。華さんは･･･その人が好きなんですね」
「はい。でも･･･きっと長くはお付き合い出来ない方なんです」
「それは何故？」

太陽さんに話をしても仕方ないけど･･･
「住む世界が違い過ぎて･･･自分が辛い思いをするのは分かりながらも、どんどん惹かれて、許される限り、傍にいたいと･･･」
太陽さんはしばらく黙った後、口を開いた。
「その彼が華さんを選んだ事に、間違いは無いと思いますよ」
「あ、ありがとうございます」
慰めの言葉でも嬉しい。

その時、太陽さんの電話が鳴り出した。
「華さん、申し訳ない。もう帰らないといけないので、これで失礼します」
「こちらこそ、ありがとうございました」
結局、英語の事は聞けなかったけど･･･

「それと･･･これから色々な試練があっても、相手の人を信じ続けなさい。そして、自分の気持ちを大切にしなさい。では、また会いましょう」
被っていた帽子を胸に頭を下げて、にっこりと笑うと帰って行った。
何だか･･･雰囲気が空斗さんに似ていたなぁ･･･