御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐
そうか・・・野暮用って言ってたけど・・・
「まぁ、愛人でいいなら、私は構わないがね。ただ、子供だけは作らないようにしてくれよ、絶対に」
その時、私を見た社長の目は、鋭く、背筋が凍りつきそうなくらい、冷たかった。
妊娠している事を知られたら・・・
この子を奪われる。

「私、会社を辞めます。専務とも、今から連絡を絶ちます」
「分かってくれたならいいんだ。では、頼んだよ」
私が外に出て頭を下げると、車は静かに走り去った。
溢れ出る涙が止まらない・・・
でも、絶対にこの子を守らないと・・・

次の日に、お母さんに電話し、仕事を辞めて帰る事を伝え、携帯電話の番号を変えた。
そして、週明けに北郷さんに退職の意向を伝えた。
「どうしたんですか?急に」
「勝手を言って、本当に申し訳ありません。どうか自己都合ということだけで、お願いします」
北郷さんは困り果てた顔をしてたけど、私の決意が固いのを理解して、意向を聞いてくれた。
そして、私は逃げるように実家に帰った。
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