御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐
そして10分後、フレアの部屋に入ると、ルイスが部屋の隅に立っていた。
「フレア。少しでも君の傍に居たくて来たよ」
「それでは、私は失礼します」
「いや、そのままでいい。君は執事だろ。俺は見られても平気だから」

ルイスが部屋を出ようとするのを引き止め、そのままフレアに近づき、抱き寄せた。
「フレア・・・」
俺が、キスするふりをすると、フレアが胸を押して拒む。
「止めてください!私には好きな人がいます」
「好きな人?俺は婚約者だぞ」
もう1度、キスをしようとする仕草を見せた。

「お願いです。少し待って下さい。もうすぐ迎えに来てくれますから」
「彼には、俺が今日、この時間に来ることを知らせてるのか?」
「はい、知ってます。だから、待って下さい」
「分かった。10分待とう。君の事を本当に愛していて、俺が来るのを知ってるなら、奪いにくるはずだ。もしそれで来なかったら、俺は君を抱くよ」

俺は部屋の隅の壁に寄りかかり、その時まで目を瞑っていた。
これが上手くいかなかったら・・・次の手を打つまでだ。

そして10分後・・・
「フレア。来ないようだね。じゃあ、君を抱こうとしよう。ルイス、部屋を出て行ってくれないか?」
ルイスは出て行こうとしない。もう一押しか・・・
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