御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐
【確執に終止符を打つ~空斗】
華の実家を出たその足で、俺達は家へと向かうと、玄関では北郷さんが、出迎えてくれた。

「北郷さん、色々とありがとうございます。あの人は家に居ますか?」
「はい、お二人が戻られることもお伝えしました」
「華。何を言われても、耳を傾けるな。俺を信じろ。俺だけの言葉だけを信じろ。いいな」
不安そうに頷く華の肩を抱き、中に入ると、父親はソファに座って険しい顔をしていた。

「空斗。ハワードさんから電話があったよ。何て事してくれたんだ!」
「俺がフレアと結婚しても、政略的にメリットは無いだろ。魂胆が見え見えなんだよ」
「お前のためだ。フレアさんがダメなら、他をあたるよ」
「その必要はない。もう、俺の妻となる人を連れて来たから」
俺は、華を母さんに紹介した。
「母さん、俺の愛する人、赤斐さんだ」
「初めまして」
「初めまして、赤斐さん。空斗から素敵な方と聞いていますが、その通りですね」
「お前は黙ってろ!」
いつもこうだ。父親に一喝された母さんは黙った。
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