御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐

「今、その話は関係ないだろ」
「その時に、息子さんのお嬢さんが迷子になって泣いていた時に、親切な女性が対応してくれたみたいだね。お孫さんが、その彼女をとても気に入ったらしくてね。その人に会ったらお礼を伝えて欲しいって」
興奮しながら、話を続ける。

「直ぐにその女性を探させよう。確か『ハナ』と言ってたような･･･お前の妻は、その女性のような、人を惹きつける力を持ってないといけない。分かったな。2人の話はこれまでだ」
この人は、よく今まで社長が務まったなぁ。優秀な秘書達に囲まれてたお陰だな。

「分かったよ。じゃあ、俺はその人を妻に迎える。それでいいですね」
「あぁいいぞ！あのハリスさんにお礼を言われたんだ。その女性ならハリスさんと縁が繋げる」
「聞きましたね。母さん、北郷さん」
「確かに聞きました」「はい。間違いなく」2人が答えた。
「ありがとう。明日、婚姻届を出しに行こう」
俺が華に声を掛けると、父親が目を丸くしていた。
「お前は私の話を聞いていたのか？言ってる事が、バラバラだぞ！」
「その女性はここにいる、赤斐華さんだ。感謝してくださいよ、華に」
俺は、蔑むように父親を見下ろした。