御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐
そして、次の日から、空斗さんは、北郷さんからの報告メールの対応や、今回参加している、ビズネス関係の人達との打ち合わせで、夜以外は、一緒に過ごす時間があまり無い。
やっと2人になれても、直ぐに声を掛けられて、ここ数日、空斗さんはご機嫌が斜めだった。

私はせっかくだからと、陸斗が寝た時は、お母様にお願いして、船内を散策した。
シアタールームに・・・図書室もあるんだ。

ゆっくりと見渡しながら歩いていると、
「あの、良かったら一緒に、ワインでもいかがですか?」
「迷っているなら、私が案内しましょうか?」
「すみません、デッキに行きたいのですが、案内して貰えませんか」
と、次から次に男性から声を掛けられる。

何度か空斗さんが私の横に来て、その人達はどこかに行ったけど、この間、顔色を変えた空斗さんに手を引っ張られ、部屋に連れて行かれた。
「皆、華を狙ってるんだぞ!分からないのか!」
「だって、親切に声を掛けてくれてると思って・・・」
「違うぞ!隙あらば、どうにかしようと思ってるんだ!」
「声を掛けてきた人達、指輪されてましたよ?」
「後腐れ無く、ここにいる間だけを楽しむ人もいるんだ!とにかく気を付けろ!」
と、凄く怒られたこともあった。

フレアさんに会った時にそのことを伝えると、「実は私も、ルイスに叱られたの」と同じようなことを言っていた。
もう、心配性なんだから・・・
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