不遇な財閥御曹司は、政略妻に一途な愛を捧げたい。
1.傷心からの結婚
「……藍南。申し訳ないが、家のために結婚をしてほしいんだ」
突然、父から告げられたのは政略結婚の話だった。だが、私――岡藤藍南は、一ヵ月前に長い間婚約していた婚約者に不貞され裏切られた。
そのまま、婚約解消。解消となったのは、私の傷になるからだそうだ……まぁ、そんなこんなてま傷心した心を癒すための旅行へ出かけて今さっき帰ってきたところなんだけど。
「結婚ってお父様……! 私、婚約解消されたとこでまだ、そんな気持ちにはならないよ!」
「もう一ヵ月経ったじゃないか。それに、今度は金はない倒産はしそうないえだが、旧財閥家だ。身分が手に入る」
「そんな、身分って……! 藍南のこと、大事じゃないの!? 娘を自分の欲に使うつもり!?」
父は野望を言い、母はそれに反論した。
だが、一度決めたことは父は曲げない人だ。それに優しく諭す。今回も、母の意見を聞かないまま意見が通るだろう。
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