不遇な財閥御曹司は、政略妻に一途な愛を捧げたい。
5.守りたい
(永眞side)
「副社長、確認をお願いします」
「あぁ、ありがとう」
社員から書類を受け取るとそれを読み込み、決済していく。そして、社長補佐の業務や次の会議の資料を読み掘り下げていくべき内容をメモしていく。
「副社長、口元が緩んでますよ」
そう言ったのは、秘書であり友人の早川。唯一のこの会社での味方で、ここに来る前は一緒に会社を経営していた一人だ。
「……そうか?」
「はい。とても毎日充実しているようで何より」
結婚してすぐに妊娠した奥さんの藍南ちゃんは、今安定期に入り初期のような体調不良には悩ませていない。だけど、とても充実している。……毎日可愛くて愛おしい。