不遇な財閥御曹司は、政略妻に一途な愛を捧げたい。



 ――ここ、伊能家は元々財界に勢力のあった大資本家の一族一門。今では旧財閥家だ。今でも当時の事業を受け継いで会社を経営している。
 だが、先代から時代の波にのまれて赤字続き。父は、今までの生活水準を変えたくないのか今まで通り、その息子も同じ考えで……今ではどん底だ。

 そして、その彼は病気らしく療養中。だから愛人の子で認知はされていない俺が呼び出された。全く生活の援助もなにもなかったのに都合よく呼び出され、伊能の会社に就職させられた。
 仕事に慣れた頃に資金援助することを条件に岡藤家との縁談が成立した。彼女にとっては、不本意のことだ。好きでもない男と結婚させられたのだから。
 

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