不遇な財閥御曹司は、政略妻に一途な愛を捧げたい。




「お時間でございます、岡藤さま」


 私は巫女さんに導かれ、神殿への道を進む。私の隣には、夫になる伊能(いのう)永眞(はるま)さんが並ぶ。その後ろには両親や親族が並び歩みを進めた。


 神殿に入り、式の進行をしてくださる神職さんで斎主(さいしゅ)の方の最初の挨拶をされて心身を清めるお祓いの儀式である修祓(しゅばつ)の儀が行われる。
 斎主さまが神様に召し上がっていただくものとして、塩やお米、お酒、山の幸、海の幸などを捧げる「献饌(けんせん)の儀」へと移った。

 お祝いを読み上げる祝詞奏上(のりとそうじょう)が読み上げられる。
 そして、三々九度を行う。これで、私は永眞さんと目を合わした。写真でもイケメンの部類だとは思っていたけど、リアルはもっとカッコいい。見惚れるほどに……

 それからも式は滞りなく進み、神楽奉納の巫女の舞を見る。初めて見たけど言葉にならないくらいとても美しく綺麗だった。



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