不遇な財閥御曹司は、政略妻に一途な愛を捧げたい。




  ***


 目が覚めて、目を開くと真っ暗な場所にいた。

 ……っん…………。

 あれ、私……どうしたんだっけ。確か、名前を呼ばれて、それで口を塞がれて……あっ、赤ちゃん……っ

 そう思って、起きようとするが足は自由だけど手が拘束されていて動けない。そっとお腹を見るとなにも変わっていない。お腹も痛くない……赤ちゃんは、無事?でもどうしよう、きっと永眞さん心配している。



「……ここは、どこ?」


 そういえば、口塞がれた時の匂いは睡眠薬だよね。あれ、赤ちゃんには問題ないんだろうか。赤ちゃんに何かあったらどうしよう。迂闊だった私の責任だ。



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