不遇な財閥御曹司は、政略妻に一途な愛を捧げたい。
「――あ、起きた?」
部屋の扉が開き、眩しくて目を瞑るとそこには療養していると聞いた永眞さんの異母兄さんがいた。
「どうして、あなたが?」
「……どうしてって、決まってるだろう。あいつの歪んだ顔が見たいんだ」
「……は?」
「君は、永眞が大切な女性だから。君に何かあれば、あいつはどん底に落ちるだろ」
彼はフッと笑うと、私の顎をグイッとあげた。
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