不遇な財閥御曹司は、政略妻に一途な愛を捧げたい。
「いいね、その目。女に睨まれたところで痛くも痒くもないけど。ただ、あいつに壊れて欲しいだけ」
「……どうして、どうしてそこまで永眞さんのことを恨んでいるの? 永眞さんは、幼い頃は会ったことはなかったと言ってたわ。会ったこともない人をどうしてそこまで」
「確かに会ったことはない。会ったのも最近だ。あいつの母親は、俺の母さんを苦しめた。ただ、使用人として働いていただけの女に父さんの最愛を奪われたんだ」
「それは親の問題じゃない。親の因縁に、あなたが恨む必要はないんじゃないの。そんなのおかしいっ」
それに、援助とかもしなかったんじゃないの?どこに恨む要素があるっていうのよ。