不遇な財閥御曹司は、政略妻に一途な愛を捧げたい。
「……あなたには、悪いけど。私は後悔しない。永眞さんのことが好きだから。彼の奥さんになれて、幸せだもの」
私はそう言い切り、彼をまっすぐ見る。この状況で反論されるだなんて思わなかったのか顔を赤くした。
「……くそ、くそ、くそっ」
そう言いながら彼は私が着ているトップスのボタンを思いっきり外した。ボタンが三つほどそこらじゅうに散らばった。
「……っ……!」
脱がそうとしたが、イライラが収まらないのか体を蹴ろうとした。だけど私は咄嗟にお腹を守るように手は拘束されている中屈めた。
この人は私を殴りたいだけのようで私が屈んでいることに気になっていない。
でも、そろそろ痛い。
だけど、赤ちゃんを守らないと……永眞さんとの赤ちゃんを――そう思い、彼の気の済むまで耐え抜こうと決意した時。
車のエンジン音が複数聞こえてきた。そして扉が開いた。