不遇な財閥御曹司は、政略妻に一途な愛を捧げたい。



「……っ、藍南っ!」


 私の名を呼んだのは、永眞さんだ。彼はこちらにきて異母兄を殴り飛ばした。


「……、藍南ちゃん!」


 私に近づき、拘束している縄を外すと私を抱き上げた。


「永眞さん……私、赤ちゃん守りました……助けに来てくれてありがとう」


 そう伝えると、外はパトカーのようなサイレンの音が近づいてくるのがわかる。それに救急車の音も……あぁ、助かったんだなと思ったら安心してしまって私は意識を手放した。

 
 
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