不遇な財閥御曹司は、政略妻に一途な愛を捧げたい。
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式が終わり両親は帰っていくと、私はメイクを落として白無垢から私服へ着替えた。
「変じゃないかな」
Vネックで前開き、背中の小さなフリルやギャザーが魅力的なデザインでキャンディースリーブでふんわりと女性らしい可愛い。
ウエストギャザーで軽やかさがある落ち着いた色合いのブルーのワンピースを着ている。
メイクを簡単にしていると控え室のドアがノックされた。
「失礼いたします、永眞です」
「永眞さん!? ちょっとお待ちください!」
私は永眞さんが来てくれることに驚き、声が裏返ってしまったけど……荷物をまとめてドアを開けた。
「は、永眞さん。来てくださってありがとうございます」
「いえ、全然。それよりも急がせてしまいましたよね。すみません」
「そんなことは……来ていただいて嬉しいので」
永眞さんは、紺色のスーツを着ていて和装とは違ってカッコいい。こんなカッコいい人が旦那様なんだなぁと思って私は嬉しくて少しだけ頬が緩んだ。