camelに溺れる



ふらふら、知らない道を進んでいると、ネオン灯がやけに眩しく俺の視界に入ってきた。


開店直後らしく、女性が看板を道行く人に見えるように立て直して、お店に入って行く。



それにつられるように店に入ると、照明も暗く落ち着いた雰囲気。




「…ビールで」



スマートにカクテルを作り終え、俺の注文も営業スマイルでこなす女性。




この人は自分の好きなことをやっているのだろうか。


誰かに言われて、仕方なくこなしているだけ?




答えは聞かなくても、笑顔で分かった。


お客と話す時の表情も柔らかくて自然だし、ワクワク感が伝わってくる。



…羨ましいな。


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