camelに溺れる
遠回しに気持ちを伝えようとしているみたいだけど、頭の中と行動が食い違っていたら、見抜けるものも見抜けない。
「…琉さん。やっぱり聞きたい。琉さんは言いたくないって言ったけど」
まだ残る涙の跡に触れると、また首を横に振った。
「話したら…ここに来れなくなっちゃう」
「そうでもないかもしれないよ?」
「……」
「一旦、服着たほうが良いよね?」
琉さんの黙り方を見ると、もし口を開いてくれたとしても、この状況で聞くことじゃない気がした。
床に落ちた服をもう一度身に纏って、ソファに座り直す。