camelに溺れる



言い終わってスッキリしたけど、誰も何も言わないから、何となく敬語で締めてみた。


全然締まってないけど。





「…この人とは結婚しないから。俺にだって一緒に居たいって思う人ぐらい居る。誰の利益になるのか分からない結婚には、乗らない。社長さん、この子にはもっと相応しい人がいるから。俺は違うんじゃないかな」

「あぁ…」





用は済んだ。


今日の俺の用事は、結婚の話を無しにすること。



両親を差し置いて部屋を退室し、歩いて家に帰った。


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