camelに溺れる
家に戻ると、母親と母親の背中を摩る父親が見えた。
「親父、お袋」
「……」
「さっきは…すみませんでした。顔合わせの場所での失礼な言動も、お袋に対して言ったことも。言い過ぎました。
俺が思ってることを全部わかってもらおうとは思ってない。でも、三男だからって期待されてないと思ったから、俺でも自立できるって気づいて欲しかった」
こちらにも振り向かず、俺の言葉に対する返事もない。
沈黙が一分続いて、本格的に期待されていないと気づかされた俺は、その場から消えようとした。