冷徹な御曹司は親友の妹への溢れ出る独占欲を抑えられない。
親友の妹 side.桐光
身体を小さく丸め、静かに寝息を立てる小動物みたいなやつ。
初めて会った時はまだランドセルを背負っていたこいつと、まさかこうなるとは思っていなかった。
しかも想像以上に興奮していた自分がいる。
紫は高校の時にダチになった葵の妹だった。いつもお兄ちゃんお兄ちゃんって葵の後をついてくるようなブラコンで、何故か俺にはいつも塩対応。
だけどからかうと反応が面白い。なんだかんだで俺とも話してはくれる。
それだけの関係だったのに、まさかあんなことを言い出すなんて……。
眠っている紫の頬を撫でる。すべすべふにふにした感触が気持ち良い。
「ん……」
目を覚ますかと思ったけど、微かに反応しただけで起きなかった。
初めてだったのにだいぶ無理させたもんな。
ガキだと思ってた紫が「女」の顔をしてよがってる姿はなんというか、端的に言うとめちゃくちゃエロかった。
しかもめちゃくちゃかわいい。
まだ誰にも見せたことのないところを俺の前でだけ曝け出してくれた――。
「…………いや、紫結婚するんだっけ」
葵は何も言ってなかったが、親の抱えた借金帳消しのために結婚するらしい。金融会社の社長とかいう怪しそうなやつと。
「…………。」
紫を起こさないように起き上がり、スマホを取ってある人物に電話した。
「あー、明石?俺だけど」