冷徹な御曹司は親友の妹への溢れ出る独占欲を抑えられない。


 わ、私とキリさんが!?本気なの!?


「紫と、キリが……ケッコン」


 しかもお兄ちゃんが思考停止しちゃってる!!


「キリさん!!なんてこと言い出すの!?」

「紫のこと好きなんだもん」


 こ、この人はそういうことをサラッと……!!


「紫は?俺のこと好き?」

「っ!」

「紫もキリのこと好きなのか!?」

「お、お兄ちゃんまで……!」


 二人してじーーーっと私のことを見つめてくる。

 す、好きかなんて、そんなこと……


「お、お兄ちゃんの前で言えるわけないでしょ……っ!」

「紫!」

「つまりそれって、そういうことだよな?紫」


 あれ……?なんで私、キリさんに腕掴まれてるの?
 そしてそのままグイグイ引っ張られた。


「ちょっと!?」

「つーわけで、紫お持ち帰りするわ」

「おっおいキリ!!紫!!まだ話終わってないよね!?」

「お、お兄ちゃん、ごめんねっ」

「紫ーー!?」


 それから再びキリさんの車に乗せられ、私はまたキリさんの住むタワーマンションへと連れて行かれた。


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