冷徹な御曹司は親友の妹への溢れ出る独占欲を抑えられない。
キリさんはたまに私を見てすごく優しそうに笑う。
その笑顔がなんか上手く言えないけど、ずるい。なんかすごくずるい……!
ドキドキしてどう返せばいいのかわからなくなる。
それでも気を取り直し、改めてデートを楽しむことに。私が行ってみたかったのは、好きなアニメ映画の展示会。
ちょうどやっててずっと行きたいって思ってたんだ。
入口にいきなりキャラクターの等身大パネルがあり、一気にテンションが上がってしまう。
「わー!みんないる〜!!」
すぐさまスマホを構えて何枚も激写する。
「かわい〜〜!!」
「紫ってこういうの好きなんだ」
「好き!ずっと行きたかったの!」
「そうなんだ。写真撮ろうか?」
「いいの!?」
キリさんがスマホを構えてくれるので、いそいそとパネルの隣に行く。
「ちゃんと盛れるカメラで撮ってね!」
「いやそんなのわからん」
「私のスマホで撮って!」
「はいはい」
カメラを起動させた状態でスマホを渡し、改めて撮ってもらった。
「ありがとう!」
「紫そのままでもかわいくない?」
「ダメ!盛れた方がいい!」
「そういうもんか」
「あ、私チケット買ってくるね」
「いや、大丈夫」