冷徹な御曹司は親友の妹への溢れ出る独占欲を抑えられない。
それにしたってもったいなくない?
この映画、ものすごく面白かったのに。
「今度一緒に観ましょうよ。私Blu-ray持ってるので」
「いいよ。あの寝室、実はプロジェクターあって壁に映せるんだよね」
「そうなんですか!?」
「結構綺麗に映るよ」
「すごいですね!」
さりげなくお家デートできるのも嬉しい!
他にもおすすめのアニメ映画持って行こうかな。
「紫ってアニメ好きなの?」
「好きですね。毎クール必ず観てます」
「そうなんだ」
「キリさんは何が好きなんですか?」
実は私、キリさんの趣味とか好きなものとか全然知らないんだよね。
まあお兄ちゃんの友達って関係だと、パーソナルな部分なんて知り得ない。
てゆーか今更だけど、初デートなのに私の趣味全開すぎて申し訳なかったな……。
「何が好き?」
「趣味とか」
「煙草?」
「煙草って趣味なんですか?」
「どうだろう……」
この感じだと無趣味なんだな。
「やりたいことはあるけど」
「なんですか?」
「紫とヤりたい」
「……変態」
全くもう!この人は……。
思いっきり私の趣味に付き合わせちゃって悪かったかな?って思った気持ちを返してよ……。
「私お土産見てくるのでっ」
「はいはい」