冷徹な御曹司は親友の妹への溢れ出る独占欲を抑えられない。
最愛の大切な人
ゲンキンな私はご機嫌ルンルンになりながらカフェを出る。
だって私が初めてだって!トクベツだって!こんなに嬉しいとは思ってなかった。
「うふふ〜」
「ご機嫌だな」
「えー?なんですか〜?」
「頬緩み切ってるのもかわいいけど、俺が行きたいとこ行ってもいい?」
「もちろん!」
さっきは私の行きたいところに付き合ってもらったし、キリさんが行きたいところってすごく興味ある。ワクワクしながらついて行った。
「……え、ここ……?」
連れて来られた場所を見て、目が点になる。
だってそこは普段絶対に入れない高級ジュエリー店だったからだ。
「これはこれは六条様、お世話になっております。ようこそお越しくださいました」
ビシッとスーツを着こなしたエレガントな初老の男性が、キリさんに向かって恭しく挨拶する。
「さあ、こちらへどうぞ」
どういうこと!?なんて言っている暇などなかった。というより、絶対に踏み込めない領域に踏み込んでしまったみたいで、緊張して上手く声が出せない。
カチンコチンになりながら案内されたのは、見るからに高そうなソファとテーブルが置いてある部屋だった。真っ赤な絨毯が敷かれ、部屋に置かれている装飾や置き物もすごく高そう。
「えっ、ここって?」
「VIPルームにございます。特別なお客様にはこちらのお部屋でご案内させていただいております」
VIPルーム!?!?
もう開いた口が塞がらない。