フラワーガールは御曹司の一途な愛から離れられない。……なんて私、聞いてない!
1 隣の住人はとんでもセレブ⁉
「今日の式も素敵だったな……」
結婚式の余韻に浸りながら、私は今日の式で使用したおこぼれの花たちを花瓶に活けた。
今日はガーデンパーティーだった。
秋晴れの空の下、白色のバラやラナンキュラス、カスミ草をあしらった参列者席。
とてもロマンチックに式は進み、新郎新婦にも大変満足していただけた。
思い出すだけで、頬が勝手に垂れてくる。
彼らの幸せな門出のお手伝いができたことを、誇りに思う。
*
幼いころ、バージンロードを歩いた。
幸せに笑う、花嫁の前。
かごに入れた、色とりどりの花びらを蒔きながら、ゆっくりゆっくり歩いた。
フラワーガール。
それは、私の初めての晴れ舞台。
その日のために買ってもらったドレスに身を包み、ちょっとだけお化粧もしてもらった。
ドキドキして、でも誇らしくて、皆が幸せそうで、私も幸せで。
「南戸美緒さん。今日はありがとう」
王子様みたいな恰好をした新郎にそう言われて、とても嬉しくて。
こんなふうに、誰かの幸せを作るお手伝いがしたい。
そう思って、フラワーデザイナーになった。
今は大手ブライダル企業、ハピエストブライダル社にて働いている。
お花を使った挙式スタイルの空間デザインや、ウェディングブーケ・ブートニアのデザインを担当しているのだ。
結婚式という、人生で一度の晴れ舞台。
それを感動的に仕上げるお手伝いができる今の仕事は、やりがいも感じるし性に合っていると思う。
「次の担当の式は、フラワーガールがいるんだよね」
私と同じ経験をする、小さな女の子。
彼女もお花が好きになってくれたらいいな、なんて思いを馳せていたその時。
――がらがらがら、がっしゃーん!
「え、何!?」
聞こえた物音は、誰もいないはずの隣の部屋から。
私が住んでいるマンションは、隣の部屋だけがずっと空き部屋なのだ。
もしかして、誰か引っ越してきた?
だとしたら、初日からすごい騒音なんですけど!
と、思ったのもつかの間。
――ガタン、ドン、ゴンっ!
鳴りやまない音に、私は怒り半分恐怖半分で隣の部屋に向かった。
結婚式の余韻に浸りながら、私は今日の式で使用したおこぼれの花たちを花瓶に活けた。
今日はガーデンパーティーだった。
秋晴れの空の下、白色のバラやラナンキュラス、カスミ草をあしらった参列者席。
とてもロマンチックに式は進み、新郎新婦にも大変満足していただけた。
思い出すだけで、頬が勝手に垂れてくる。
彼らの幸せな門出のお手伝いができたことを、誇りに思う。
*
幼いころ、バージンロードを歩いた。
幸せに笑う、花嫁の前。
かごに入れた、色とりどりの花びらを蒔きながら、ゆっくりゆっくり歩いた。
フラワーガール。
それは、私の初めての晴れ舞台。
その日のために買ってもらったドレスに身を包み、ちょっとだけお化粧もしてもらった。
ドキドキして、でも誇らしくて、皆が幸せそうで、私も幸せで。
「南戸美緒さん。今日はありがとう」
王子様みたいな恰好をした新郎にそう言われて、とても嬉しくて。
こんなふうに、誰かの幸せを作るお手伝いがしたい。
そう思って、フラワーデザイナーになった。
今は大手ブライダル企業、ハピエストブライダル社にて働いている。
お花を使った挙式スタイルの空間デザインや、ウェディングブーケ・ブートニアのデザインを担当しているのだ。
結婚式という、人生で一度の晴れ舞台。
それを感動的に仕上げるお手伝いができる今の仕事は、やりがいも感じるし性に合っていると思う。
「次の担当の式は、フラワーガールがいるんだよね」
私と同じ経験をする、小さな女の子。
彼女もお花が好きになってくれたらいいな、なんて思いを馳せていたその時。
――がらがらがら、がっしゃーん!
「え、何!?」
聞こえた物音は、誰もいないはずの隣の部屋から。
私が住んでいるマンションは、隣の部屋だけがずっと空き部屋なのだ。
もしかして、誰か引っ越してきた?
だとしたら、初日からすごい騒音なんですけど!
と、思ったのもつかの間。
――ガタン、ドン、ゴンっ!
鳴りやまない音に、私は怒り半分恐怖半分で隣の部屋に向かった。
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