フラワーガールは御曹司の一途な愛から離れられない。……なんて私、聞いてない!
「あ、南戸さんそろそろお客様見えますよ」
後から来た女性社員に声をかけられ、はっとする。
けれど、バックヤードで開かれていた社長に対する女性社員の会話が、私の耳に入って仕方ない。
「新しい社長いいね」
「こんな店舗の一社員にも、ちゃんと寄り添ってくれてる感じする」
「ってかイケメンだし、笑顔が素敵だし」
「ねー♡」
でも、どうして?
『現場を動かすのは従業員は、全然考え方が違うんだな。俺は経営者で、会社を動かすのが仕事だ』
そう言っていた社長を、それから式会場の設営を手伝ってくれた社長を思い出す。
私への『お詫び』を通して、考え方が変わったなら嬉しい。
けれど、それを変えたのは私だと、言えないのがもどかしい。
私だけが知っている社長、ではない。
もう、みんなの社長だ。
いや、社長は会社の長なのだから、元より従業員全員の社長である。
けれど、そう思ってしまうくらいには他社員に嫉妬している。
寂しさと虚しさと、認めざる得ない恋心。
それに対する諦めと、悲しみ。
いろんな感情のまま、ため息をこぼした。
後から来た女性社員に声をかけられ、はっとする。
けれど、バックヤードで開かれていた社長に対する女性社員の会話が、私の耳に入って仕方ない。
「新しい社長いいね」
「こんな店舗の一社員にも、ちゃんと寄り添ってくれてる感じする」
「ってかイケメンだし、笑顔が素敵だし」
「ねー♡」
でも、どうして?
『現場を動かすのは従業員は、全然考え方が違うんだな。俺は経営者で、会社を動かすのが仕事だ』
そう言っていた社長を、それから式会場の設営を手伝ってくれた社長を思い出す。
私への『お詫び』を通して、考え方が変わったなら嬉しい。
けれど、それを変えたのは私だと、言えないのがもどかしい。
私だけが知っている社長、ではない。
もう、みんなの社長だ。
いや、社長は会社の長なのだから、元より従業員全員の社長である。
けれど、そう思ってしまうくらいには他社員に嫉妬している。
寂しさと虚しさと、認めざる得ない恋心。
それに対する諦めと、悲しみ。
いろんな感情のまま、ため息をこぼした。