君の後ろは特等席



「彩花、今日も日サロ行くだろ?」



丈の短い学ランにダボッとしたボンタン。



ボリューミーな髪型はひと目見ただけで誰もが裸足で逃げ出すほどの威圧感がある。



実際、優斗はこの街で一番のヤンキーだ。



「もちー。行くに決まってんじゃん。今日も優斗のバイク二人乗りね」



とかいうウチも、自ら近づくものは命知らずと言われるほどのレディースの総長。



親から貰ったお金で放課後に日サロに行き、帰りはそこら辺を彷徨いているヤンキー達と遊ぶのがウチラの日常。



優斗のバイクの後ろにはいつもウチが乗っている。



他の人を乗せているところを今まで見たことがなかった。



今日もまた、優斗の隣でいつもと変わらない日々を過ごす。


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