義弟の恋人
義弟との距離感
「皐月。五代君が呼んでるよ?」
「え?!」
クラスメートで親友のあずみは好奇心からか、瞳を輝かせながら私の肩をツンツンと突いた。
「もしかしてェ。皐月、五代君と付き合ってるのカナ?」
「違うって!えっと、色々あって五代君とは友達になったっていうか・・・。」
「ふーん。イロイロあって友達・・・ねえ。とりあえず早く行ってあげたら?五代君、待ってるし。」
「あ・・・うん。」
私はあわてて席から立ち上がると、クラスメート達の好奇の目をひしひしと感じながら、廉の元へと歩いて行った。
「なあに?」
私は戸惑いの色を隠せない表情をしながら、廉を見上げた。
「現国の教科書、貸して?あとノートも。」
「そんなの男子に借りればいいじゃない。」
「皐月のノート、綺麗でわかりやすく書かれてるからマジ助かるんだよ。それに別のヤツに借りたら返すの面倒じゃん。その点皐月とは一緒に住んでるわけだし?」
「ちょっと!声が大きいってば。誰かに聞かれたらどうするの?!」
「皐月の方が声大きいけど。」
「あ・・・。」
たしかに私の方が大きな声を出してしまっている・・・私はあわてて自分の口を押さえた。
「わかったから、ちょっと待ってて。」
私は自席へ戻ると、現国の教科書とノートをカバンから取り出し、再び廉の元へ小走りで戻った。
「はい。これで最後だからね。」
「えー?そんな冷たいこと言うなよ。じゃ、サンキュ。」
廉はノートで私の頭をポンっと軽く叩くと、隣の教室へ戻って行った。
席に戻った私を早速あずみが茶化した。
「ノートで頭ポン、か。カレカノしかやらないやつゥ。」
「だから違うって。」
「ねえ。五代君って格好いいよね!アタシ、ああいう体育会系男子ってタイプ。さぞかしいいカラダしてるんでしょうネ!皐月、アタシにも五代君、紹介してよ。」
「う、うん。」
「あーなんかムカつくんだけど!」
その教室中に響き渡る声を出したのは、クラスでも派手で目立つ女子グループの一人、リオナとその取り巻き達だった。
「クラス委員のくせして、男子といちゃいちゃしちゃってさ。」
「ガリ勉女は黙って本でも読んでろよ。」
リオナの言葉に私の身体は冷たくなり身を震わせた。
「あーうるさい!どっかのメス狐が遠吠えしてるし。」
あずみが負けじと私の代わりに応戦してくれる。
「はあ?クラス委員の犬は黙ってろ。」
「オマエ、キモいんだよ。自覚しろ。」
そう言いながら大笑いするリオナ達にあずみの怒りが爆発した。
「ウルセエ!!ふざけんな!!オマエらこそ黙ってろ。ブスが。」
あずみの威嚇が効いたのか、リオナは忌々し気な顔をしながらも、口を噤んだ。
「皐月。あんな奴ら、気にしなくていいからね。まったく女の風上にも置けない奴らだよ。」
「・・・ありがとう。あずみ。」
こうしていつも自分を守ってくれるあずみにはいつも感謝してる。
あずみとは1年の時からのクラスメートで、私のことを一番わかってくれている。
怒るとちょっと口が悪くなるのが玉に瑕だけど。
私は頼もしい親友の顔を見上げた。
「でも五代君も、もうちょっと気をつけて欲しいよネ。皐月にも立場ってものがあるんだからさ。」
あずみの言葉に私も頷く。
「うん。私からも言ってみる。」
私ははあっと大きなため息をついた。
「え?!」
クラスメートで親友のあずみは好奇心からか、瞳を輝かせながら私の肩をツンツンと突いた。
「もしかしてェ。皐月、五代君と付き合ってるのカナ?」
「違うって!えっと、色々あって五代君とは友達になったっていうか・・・。」
「ふーん。イロイロあって友達・・・ねえ。とりあえず早く行ってあげたら?五代君、待ってるし。」
「あ・・・うん。」
私はあわてて席から立ち上がると、クラスメート達の好奇の目をひしひしと感じながら、廉の元へと歩いて行った。
「なあに?」
私は戸惑いの色を隠せない表情をしながら、廉を見上げた。
「現国の教科書、貸して?あとノートも。」
「そんなの男子に借りればいいじゃない。」
「皐月のノート、綺麗でわかりやすく書かれてるからマジ助かるんだよ。それに別のヤツに借りたら返すの面倒じゃん。その点皐月とは一緒に住んでるわけだし?」
「ちょっと!声が大きいってば。誰かに聞かれたらどうするの?!」
「皐月の方が声大きいけど。」
「あ・・・。」
たしかに私の方が大きな声を出してしまっている・・・私はあわてて自分の口を押さえた。
「わかったから、ちょっと待ってて。」
私は自席へ戻ると、現国の教科書とノートをカバンから取り出し、再び廉の元へ小走りで戻った。
「はい。これで最後だからね。」
「えー?そんな冷たいこと言うなよ。じゃ、サンキュ。」
廉はノートで私の頭をポンっと軽く叩くと、隣の教室へ戻って行った。
席に戻った私を早速あずみが茶化した。
「ノートで頭ポン、か。カレカノしかやらないやつゥ。」
「だから違うって。」
「ねえ。五代君って格好いいよね!アタシ、ああいう体育会系男子ってタイプ。さぞかしいいカラダしてるんでしょうネ!皐月、アタシにも五代君、紹介してよ。」
「う、うん。」
「あーなんかムカつくんだけど!」
その教室中に響き渡る声を出したのは、クラスでも派手で目立つ女子グループの一人、リオナとその取り巻き達だった。
「クラス委員のくせして、男子といちゃいちゃしちゃってさ。」
「ガリ勉女は黙って本でも読んでろよ。」
リオナの言葉に私の身体は冷たくなり身を震わせた。
「あーうるさい!どっかのメス狐が遠吠えしてるし。」
あずみが負けじと私の代わりに応戦してくれる。
「はあ?クラス委員の犬は黙ってろ。」
「オマエ、キモいんだよ。自覚しろ。」
そう言いながら大笑いするリオナ達にあずみの怒りが爆発した。
「ウルセエ!!ふざけんな!!オマエらこそ黙ってろ。ブスが。」
あずみの威嚇が効いたのか、リオナは忌々し気な顔をしながらも、口を噤んだ。
「皐月。あんな奴ら、気にしなくていいからね。まったく女の風上にも置けない奴らだよ。」
「・・・ありがとう。あずみ。」
こうしていつも自分を守ってくれるあずみにはいつも感謝してる。
あずみとは1年の時からのクラスメートで、私のことを一番わかってくれている。
怒るとちょっと口が悪くなるのが玉に瑕だけど。
私は頼もしい親友の顔を見上げた。
「でも五代君も、もうちょっと気をつけて欲しいよネ。皐月にも立場ってものがあるんだからさ。」
あずみの言葉に私も頷く。
「うん。私からも言ってみる。」
私ははあっと大きなため息をついた。