真白に包まれて眠りたい
11.恋愛仕様書
-1- 初恋
初恋は15歳の頃。男性に触れられるとドキドキすることを知った。そしてそのまま恋に落ちた。何と愚かな。実際好意を確信したのは、しっかり者の彼が体調不良で机に突っ伏していた時である。本人には言えないギャップ萌えだった。彼に交際相手がいることを知らず、一年片思いをした。彼女にしてみれば私は疎ましい存在だったと思う。反省している。今でも彼のことは好きだ。勿論恋愛感情はとうになくなった。ただ懐かしさと、あの頃の名残りに恋をしている。初恋は忘れられないだとか、初恋の人は一生好きだとか言われるが、あまねく私に当てはまる。
そして、この初恋で私は友達を失った。
-2- 恋
恋をすると。その人との将来を想像する。その人に執着する。その人に憧れる。一緒にいたいと思う。触れたいと思う。触れられたいと思う。欠点は知りたくないと思う。どうしようもなく会いたくなる。明日を捨ててでも一緒にいたい。好意は隠せない。
どんな時に恋をするか。今のところは、何かのきっかけが必要だ。ほとんど一目惚れだ。今まで好きになった人は、初めて会った時から好きだった。相当な好意を抱いていた。今の彼もそうだ。初めは恋心では無かったが、大きな憧れと好意を抱いていた。私には触れられない世界に生きている人だと思って身を引いたが、驚くことに彼から声をかけてきた。勿論私は好きになった。いや初めから好きだった。もう二度と遊びたくないと思うほどに、一度目から好きだった。なのに彼に二度目を与えられてしまった。そうしてなぜかお互いに好き合い、だけど付き合うつもりはないと言われるのだった。話が逸れたが所詮これは戯言。このままにしておこうと思う。
-3- 告白
自分が好きになった人は自分から告白する。相手に告白させるように仕組むなんて私にはできなかった。それに、計画立てた告白は苦手だ。いつも思いが抑えられずに口から出てしまう。といったものの、思い返せばSNSでしか告白をしたことがない。スマホがなければ私の人生はこうならなかったのに。俺も好きと返ってきたのが2回、今は恋愛する気がないと言われたのが1回。告白されたことはその3倍くらいだが、付き合ったことはない。いつだって相手から告白されると好きになれない。
-4- 交際
交際経験は少ない。まともに付き合っていたのは累計で二ヶ月程度だ。好きじゃなくなったから別れた。俗に言う蛙化現象、あれに悩まされていた。相手が自分に好意を向けた瞬間に全てが気持ち悪くなった。相手が私と性的接触をしたいと思っていると考えると気持ち悪くてたまらなかった。今ではそれは解消された。むしろ嬉しく思っている。
長く続いたのは、交際関係ではなかった関係性だった。都合の良い関係は、4か月と、1年と、5ヶ月続いた。同時期だったこともあるが。都合の良いとは言え、側から見たら完全にカップルだった。全てにおいて、相手は私に好意を持っていて、私はそれを知っていた。私は誰かに愛されたかった。好きだと、可愛いと、言われたかった。そのために彼らを利用した。手も繋いだ。ハグもした。ホテルにも行った。キスと挿入だけは許さなかった。初めての経験は好きな人にとっておきたかった。
二十歳を過ぎてからようやくその機会が訪れたが、ファーストキスの感想はやっぱり「なんだこれ」だったし、初めてのセックスの感想は「痛すぎて苦痛」だった。正直どちらも大切にとっておくほどの大層なものではなかった。だが、どうでも良い相手で済ませなかったことは正しかったと思う。というよりおそらく、好きな人相手でないと、キスは気持ち悪くてできないし、セックスは痛すぎてできなかっただろう。
話が逸れるがキスについて語りたい。私は今まで、ほとんどキスをしたいと思うことがなかった。勿論したことがなかったからだろう。だが、たとえ好きな人相手であろうと、想像しては気持ち悪いと思っていた。だが、初めてキスしても良いかもしれないと思ったことがある。それはセックス(といっても前戯)の最中だ。結局しなかったが、顔を擦り合わせることはした。
結局私のファーストキスは、ベッドの中で行われた。知り合って1ヶ月、初めて会ってから数時間、緊張で眠れずにいたときだった。暗闇で、隣で寝ている彼の顔もほとんど見えない。見えないなあ、多分見つめ合ってるよね、これキスできる雰囲気だなあ、でも流石にないか、と思っていたら顔が近付いてきた。唇は冷たかった。そしてやわらかい。よくわからない初めての感触に、素直にもう一回してみてほしいと思った。結局すぐに何度も数え切れないくらいキスをしてもらい、感覚にも慣れ、結果キスが好きになった。それが私のファーストキス。夜景を見ながら展望台で、なんてロマンチックなことは考えていなかったが、顔が見えない暗闇の中ベッドでというのはこれまた考えていなかった。その日はそのまま寝て、翌朝私は舌の使い方を教わった。下手くそだねと笑われた。それが何より幸せだった。
-5- 別れ
-6- 浮気
-7-
-8- 性欲
-9- 我儘
-10- 失恋
-1- 初恋
初恋は15歳の頃。男性に触れられるとドキドキすることを知った。そしてそのまま恋に落ちた。何と愚かな。実際好意を確信したのは、しっかり者の彼が体調不良で机に突っ伏していた時である。本人には言えないギャップ萌えだった。彼に交際相手がいることを知らず、一年片思いをした。彼女にしてみれば私は疎ましい存在だったと思う。反省している。今でも彼のことは好きだ。勿論恋愛感情はとうになくなった。ただ懐かしさと、あの頃の名残りに恋をしている。初恋は忘れられないだとか、初恋の人は一生好きだとか言われるが、あまねく私に当てはまる。
そして、この初恋で私は友達を失った。
-2- 恋
恋をすると。その人との将来を想像する。その人に執着する。その人に憧れる。一緒にいたいと思う。触れたいと思う。触れられたいと思う。欠点は知りたくないと思う。どうしようもなく会いたくなる。明日を捨ててでも一緒にいたい。好意は隠せない。
どんな時に恋をするか。今のところは、何かのきっかけが必要だ。ほとんど一目惚れだ。今まで好きになった人は、初めて会った時から好きだった。相当な好意を抱いていた。今の彼もそうだ。初めは恋心では無かったが、大きな憧れと好意を抱いていた。私には触れられない世界に生きている人だと思って身を引いたが、驚くことに彼から声をかけてきた。勿論私は好きになった。いや初めから好きだった。もう二度と遊びたくないと思うほどに、一度目から好きだった。なのに彼に二度目を与えられてしまった。そうしてなぜかお互いに好き合い、だけど付き合うつもりはないと言われるのだった。話が逸れたが所詮これは戯言。このままにしておこうと思う。
-3- 告白
自分が好きになった人は自分から告白する。相手に告白させるように仕組むなんて私にはできなかった。それに、計画立てた告白は苦手だ。いつも思いが抑えられずに口から出てしまう。といったものの、思い返せばSNSでしか告白をしたことがない。スマホがなければ私の人生はこうならなかったのに。俺も好きと返ってきたのが2回、今は恋愛する気がないと言われたのが1回。告白されたことはその3倍くらいだが、付き合ったことはない。いつだって相手から告白されると好きになれない。
-4- 交際
交際経験は少ない。まともに付き合っていたのは累計で二ヶ月程度だ。好きじゃなくなったから別れた。俗に言う蛙化現象、あれに悩まされていた。相手が自分に好意を向けた瞬間に全てが気持ち悪くなった。相手が私と性的接触をしたいと思っていると考えると気持ち悪くてたまらなかった。今ではそれは解消された。むしろ嬉しく思っている。
長く続いたのは、交際関係ではなかった関係性だった。都合の良い関係は、4か月と、1年と、5ヶ月続いた。同時期だったこともあるが。都合の良いとは言え、側から見たら完全にカップルだった。全てにおいて、相手は私に好意を持っていて、私はそれを知っていた。私は誰かに愛されたかった。好きだと、可愛いと、言われたかった。そのために彼らを利用した。手も繋いだ。ハグもした。ホテルにも行った。キスと挿入だけは許さなかった。初めての経験は好きな人にとっておきたかった。
二十歳を過ぎてからようやくその機会が訪れたが、ファーストキスの感想はやっぱり「なんだこれ」だったし、初めてのセックスの感想は「痛すぎて苦痛」だった。正直どちらも大切にとっておくほどの大層なものではなかった。だが、どうでも良い相手で済ませなかったことは正しかったと思う。というよりおそらく、好きな人相手でないと、キスは気持ち悪くてできないし、セックスは痛すぎてできなかっただろう。
話が逸れるがキスについて語りたい。私は今まで、ほとんどキスをしたいと思うことがなかった。勿論したことがなかったからだろう。だが、たとえ好きな人相手であろうと、想像しては気持ち悪いと思っていた。だが、初めてキスしても良いかもしれないと思ったことがある。それはセックス(といっても前戯)の最中だ。結局しなかったが、顔を擦り合わせることはした。
結局私のファーストキスは、ベッドの中で行われた。知り合って1ヶ月、初めて会ってから数時間、緊張で眠れずにいたときだった。暗闇で、隣で寝ている彼の顔もほとんど見えない。見えないなあ、多分見つめ合ってるよね、これキスできる雰囲気だなあ、でも流石にないか、と思っていたら顔が近付いてきた。唇は冷たかった。そしてやわらかい。よくわからない初めての感触に、素直にもう一回してみてほしいと思った。結局すぐに何度も数え切れないくらいキスをしてもらい、感覚にも慣れ、結果キスが好きになった。それが私のファーストキス。夜景を見ながら展望台で、なんてロマンチックなことは考えていなかったが、顔が見えない暗闇の中ベッドでというのはこれまた考えていなかった。その日はそのまま寝て、翌朝私は舌の使い方を教わった。下手くそだねと笑われた。それが何より幸せだった。
-5- 別れ
-6- 浮気
-7-
-8- 性欲
-9- 我儘
-10- 失恋