真白に包まれて眠りたい
12.彼その6
彼その6、君はゲームで出会った人だ。私たちは同じゲームをしていた。偶然話し、話が弾み、二人で遊ぶようになった。後になって、本当に偶然で奇跡だったと知る。
その頃と比べると彼は変わった。彼自身は変わっていないだろうけど、私に見せる態度は変わった。別にそれに良いも悪いもない。
彼は会いに来ない人だ。私が会いたいと言う。彼は時間を作ってくれる。私たち二人で、会おうという約束はない。いつだって私が許可をとる形だ。だから彼は会いに来ない。呼んだとしても来ない。
私たちの関係は曖昧だ。友達じゃない。カップルじゃない。セフレにしては面倒がかかりすぎる、ただの知り合いかもしれない。お互いに好きと伝え合い、数日間泊まり、セックスをする知り合い。他の誰かに話すときは、ほとんど付き合っているようなものだと説明するが、現実はそれとは程遠い。私はそろそろ付き合ってくれと思っているが彼はその気はないらしい。まだ2回しか会っていない。確かにそうだ。知り合ってから4ヶ月。まだ恋に落ちていなくてもおかしくないし、好きと伝えていなくてもおかしくない。私はいつも急ぎすぎてしまうらしい。もういっそ早く一緒に住みたいくらいだ。だがうまくいかないこともなんとなくわかってしまっている。本当にただ好きで好きなところしか見えていないのであれば、もっとつらいはずだ。私にしては珍しく変に冷静になれるのは、それだけ合わない部分を感じているからだろう。でも好きだ。
一緒にいたくない理由ができたとき、一緒にいるのをやめようと思う。一緒にいる理由は特別なものは必要ない。あなたがそこに存在するから、それだけだ。
一時の衝動や伝えてもいない相手への不満で別れるべきではない。自分のできる精一杯をするべきだ。それでも後悔は必ずする。男は他にもいる。
とはいえ、私には他の男はいない。彼に縋ってしまうのは結局それが原因だろう。彼以外に、私と一緒にいてくれる人間が果たしているだろうか。そう考えてしまうから、彼を手放せない。
知り合って3ヶ月くらいの頃、なぜ私たちは付き合わないのか聞いたことがある。「俺たちきっと合わないよ」と言われた。だったらどうして今一緒にいて、さっきセックスしたのか教えてほしい。未来のない付き合いなどできない、それは当たり前ではなかったと知った。未来のことなんて考えず好きになった。打算なんてなかった。今が良ければそれでいいと思った。だけど、知らず知らずのうちに、結局未来を思い描いていたらしい。どれだけ好きでも、いつか別れると言われたら付き合う理由を見失う。なんにでも結果だけを気にしすぎとか、因果を気にしすぎと彼に言われたことがある。好きだから、一緒にいたい。好きだから、この先もずっと一緒にいたい。将来一緒にいられないなら、好きになれない。これは全部、皆にとって正しくはなかったらしい。私は独自の理論を頭の中で展開していた。「なんで好きなのにいっしょにいたいと思わないの?」彼にとってみれば答えられない質問だっただろう。好きと一緒にいたいは、必ずしもつながらない。返事は「君は一緒にいてくれる人が好きなんでしょ」。この言葉に私は何も言い返せなかった。今でもこの言葉が心に刺さって抜けない。
彼は自身の経験に基づいて、いろんな話をもたらしてくれる。子どもに話すように優しく、そして断言口調なのが、実は少し苦手で好きなところだ。先生が迷えば子も道を失う。苦手と言いながら私も気づかず救われているのだと思う。自分の意見でありながら、「〜なんじゃない?」と言うのは、ちょっと無責任だと思っている。でもこれも、私を否定しないための言い方なのだろうと思っている。
嫌なところ、合わないところももちろんある。時間を守らないのは私にとっては大きな因子だ。もともと時間に厳格だったが、会社で働き始めてより一層拍車がかかった気がする。会社は時間厳守が前提だから。何時に会おうと言って1時間待つ、今日の夜何時に通話しようと言って謝罪の返信が来るのは朝、日常茶飯事だ。正直頭がおかしくなりそうだが、もう初めから期待して待たないことにした。それはそれで、別のことしながら、別の人と遊びながら待つの?と失望されそうだが、普段の自分の行いが悪すぎるせいだ。信用は行動の積み重ねで得られる。
とりあえず言いたいのは、彼好みに仕立て上げてくれていいので付き合いませんか、ということです。
彼その6、君はゲームで出会った人だ。私たちは同じゲームをしていた。偶然話し、話が弾み、二人で遊ぶようになった。後になって、本当に偶然で奇跡だったと知る。
その頃と比べると彼は変わった。彼自身は変わっていないだろうけど、私に見せる態度は変わった。別にそれに良いも悪いもない。
彼は会いに来ない人だ。私が会いたいと言う。彼は時間を作ってくれる。私たち二人で、会おうという約束はない。いつだって私が許可をとる形だ。だから彼は会いに来ない。呼んだとしても来ない。
私たちの関係は曖昧だ。友達じゃない。カップルじゃない。セフレにしては面倒がかかりすぎる、ただの知り合いかもしれない。お互いに好きと伝え合い、数日間泊まり、セックスをする知り合い。他の誰かに話すときは、ほとんど付き合っているようなものだと説明するが、現実はそれとは程遠い。私はそろそろ付き合ってくれと思っているが彼はその気はないらしい。まだ2回しか会っていない。確かにそうだ。知り合ってから4ヶ月。まだ恋に落ちていなくてもおかしくないし、好きと伝えていなくてもおかしくない。私はいつも急ぎすぎてしまうらしい。もういっそ早く一緒に住みたいくらいだ。だがうまくいかないこともなんとなくわかってしまっている。本当にただ好きで好きなところしか見えていないのであれば、もっとつらいはずだ。私にしては珍しく変に冷静になれるのは、それだけ合わない部分を感じているからだろう。でも好きだ。
一緒にいたくない理由ができたとき、一緒にいるのをやめようと思う。一緒にいる理由は特別なものは必要ない。あなたがそこに存在するから、それだけだ。
一時の衝動や伝えてもいない相手への不満で別れるべきではない。自分のできる精一杯をするべきだ。それでも後悔は必ずする。男は他にもいる。
とはいえ、私には他の男はいない。彼に縋ってしまうのは結局それが原因だろう。彼以外に、私と一緒にいてくれる人間が果たしているだろうか。そう考えてしまうから、彼を手放せない。
知り合って3ヶ月くらいの頃、なぜ私たちは付き合わないのか聞いたことがある。「俺たちきっと合わないよ」と言われた。だったらどうして今一緒にいて、さっきセックスしたのか教えてほしい。未来のない付き合いなどできない、それは当たり前ではなかったと知った。未来のことなんて考えず好きになった。打算なんてなかった。今が良ければそれでいいと思った。だけど、知らず知らずのうちに、結局未来を思い描いていたらしい。どれだけ好きでも、いつか別れると言われたら付き合う理由を見失う。なんにでも結果だけを気にしすぎとか、因果を気にしすぎと彼に言われたことがある。好きだから、一緒にいたい。好きだから、この先もずっと一緒にいたい。将来一緒にいられないなら、好きになれない。これは全部、皆にとって正しくはなかったらしい。私は独自の理論を頭の中で展開していた。「なんで好きなのにいっしょにいたいと思わないの?」彼にとってみれば答えられない質問だっただろう。好きと一緒にいたいは、必ずしもつながらない。返事は「君は一緒にいてくれる人が好きなんでしょ」。この言葉に私は何も言い返せなかった。今でもこの言葉が心に刺さって抜けない。
彼は自身の経験に基づいて、いろんな話をもたらしてくれる。子どもに話すように優しく、そして断言口調なのが、実は少し苦手で好きなところだ。先生が迷えば子も道を失う。苦手と言いながら私も気づかず救われているのだと思う。自分の意見でありながら、「〜なんじゃない?」と言うのは、ちょっと無責任だと思っている。でもこれも、私を否定しないための言い方なのだろうと思っている。
嫌なところ、合わないところももちろんある。時間を守らないのは私にとっては大きな因子だ。もともと時間に厳格だったが、会社で働き始めてより一層拍車がかかった気がする。会社は時間厳守が前提だから。何時に会おうと言って1時間待つ、今日の夜何時に通話しようと言って謝罪の返信が来るのは朝、日常茶飯事だ。正直頭がおかしくなりそうだが、もう初めから期待して待たないことにした。それはそれで、別のことしながら、別の人と遊びながら待つの?と失望されそうだが、普段の自分の行いが悪すぎるせいだ。信用は行動の積み重ねで得られる。
とりあえず言いたいのは、彼好みに仕立て上げてくれていいので付き合いませんか、ということです。