イケメン御曹司は恋に不慣れ
「はっ、あはは…。なんだよ滅相もないって…。お前おもしろいこと言うな」
私はこの時、浩介さんがお腹を抱えるほど笑う姿を初めて見た。
ドクン…と胸が高鳴った。
その時の私は心臓が一際大きな音をたてたのを浩介さんに悟られないように、必死に手を振って誤魔化すために話を続けた。
「いえ、浩介さんほどの方ですから、私なんかじゃとてもじゃないですが彼女になんてなれません」
「そうか? そんなこともないとは言い切れないけどな」
「言い切れますよ」
私の発言に浩介さんの表情が一瞬変わったのを見たが、浩介さんはすぐに何かを振り切るように手を膝について立ち上がった。
浩介さんが上から手を差し出し、戸惑う私の手を掴んで立ち上がらせた。