イケメン御曹司は恋に不慣れ

「よう、修一も順調そうだな」
「まあな。今日は香苗さんと一緒だから、変な男に絡まれることもなくて安心だ」
「そうだな。彩未さんの家で飲むというんだから問題ないだろう」

二人の話にさらに気落ちしていく。

「はあぁ…」
「なんだよ。呼び出した奴が暗い顔して何かあったのか?」
「それが浩介の奴がようやく恋に落ちたらしいんだ」
「へぇ、どんな子なの?」

「それが、先日うちの従業員になった子なんだ。でも、初めて会ったのはもう少し前で、親父に呼び出された日に待ち合わせの場所に行く途中で見かけてさ。気がついたら目で追ってた。見失って通りすがりで終わったんだと思ったところで、男に絡まれてるところを見つけて。助けたまでは良かったんだけど…」
あの時のことを思い出すと自分の行動が恥ずかしくなる。
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