イケメン御曹司は恋に不慣れ
「祐二さん、ホールの手伝いお願いできますか?」
「どうした? なんかトラブルでもあったのか」
「ひまりちゃんが具合悪そうだったので、今休んでもらってるんです」
「ひまりちゃんが具合悪いって?」
「そうなんです。これからご予約のお客様が来店されますし、祐二さんがホールに入ってくれると助かります」
「了解」と祐二が返事をして席を立つと、浩介が芹菜を引き止め確認をする。
「芹菜。ひまりの様子はどんな感じだった? もし、かなり悪いなら俺が送っていくから帰りの支度をしてもらってよ」
「えっ? オーナーがひまりちゃんを送っていくんですか?」
「あぁ、俺が送るけど。なにかあるのか?」
「えぇっと…ひまりちゃんは浩介さんのこと苦手かな、なんて思ってたので私が一緒に帰ろうかなって考えてたんですけど」
芹菜がひまりの考えを代弁するような発言をすると、横で苦笑いを浮かべる祐二が口を挟んだ。