イケメン御曹司は恋に不慣れ
「知り合いだったら青ざめるなんてなるか?」
「会いたくない人だったらあり得るのかなって。私、ひまりちゃんから前の会社を辞めた理由を聞いたことがあったので、もしかしたらその上司って人だったとか?」
「会社を辞めた理由って?」
「セクハラされたからって聞いてます」
「だったらそいつが食事している間に家に連れて行った方がいいな。すぐに俺が彼女を送るよ」
「芹菜、ひまりちゃんに帰りの支度をさせて。俺がその上司とやらの様子を見ておくよ」
「あぁ、頼むよ」と祐二の肩を軽く叩いた。
祐二は俺と視線をしっかり合わせて力強く頷くとホールへ向かった。
俺はスタッフルームで休憩しているひまりの元へ行き、彼女を連れて店を出た。