イケメン御曹司は恋に不慣れ

怖い…。どうしよう…。
浩介さんが言うように不安材料を完全に取り除くまで一人で出歩かないようにしておけばよかった。
後悔をしているところで、背中に感じる人の気配が濃くなった。
もしかして、もう追いつかれたの?

ひまりが一人で外出しているとは知らずに、SKフーズを出て、ルーチェに向かっていた。
ひまりが受けた被害がこれ以上広がらないようにできた。

後は彼女の気持ちが俺を受け入れられるくらい落ち着いてくれるといいのだが…。
そんなことを考えながら店の近くまで来ていた。
道路の反対側にひまりによく似た女性が歩いているのが見えた。
まさかと思うものの、とりあえずルーチェまで車を走らせた。

そろそろあの男が自分に下された処分の内容を知るだろう。
そうなれば、きっとあの男はここに来るはずだ。
そこですべてを終わらせてやる、そう心に誓っていた。
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