人気イケメンダンスグループのボーカル担当『天野先輩』に溺愛されました。
「君が僕を見てくれるから、僕らはこんなにも強く~♪」
天野先輩は歌いながら左手を前に出し足をタタンと交差させた。
――この歌、はじめて聴く。もしかして新曲かな? この動きも、周りのダンス担当のメンバーたちが踊る振りに合わせている感じかな?
天野先輩は私に背を向けて、空の方向に向いていた。スマホに繋がるイヤホンを耳に当ててもいて、私の存在に気がついていない。
ずっと見ていたくて、練習の邪魔をしたくなかったから静かに先輩の背中を眺めていた。
陽に当たった先輩の薄い茶色の髪の毛が輝いて揺れている。ここにいる先輩は、今にも天へ登ってしまいそうな天使。
くるりと回るダンスをした先輩と目があった。
「わっ! いたんだ。声かけてくれればいいのに。来てくれたんだね、一緒にご飯食べよ」
隅の方に先輩のカバンが置いてあって、その辺りにふたりは座った。
並んで座るだけでドキドキしてきて倒れそう。ゆっくり深呼吸してその心臓の鼓動の速さをどうにか落ち着かせようとした。
とりあえず、さっき買ったクリームパンの袋を開けてひとくち食べた。
「今歌っていたのって、新曲ですか?」
「そう。この歌のファルセットが難しくて……」
先輩は学校でも練習していたんだ。
新しい先輩を知って、ちょっと特別な気持ち。
天野先輩は歌いながら左手を前に出し足をタタンと交差させた。
――この歌、はじめて聴く。もしかして新曲かな? この動きも、周りのダンス担当のメンバーたちが踊る振りに合わせている感じかな?
天野先輩は私に背を向けて、空の方向に向いていた。スマホに繋がるイヤホンを耳に当ててもいて、私の存在に気がついていない。
ずっと見ていたくて、練習の邪魔をしたくなかったから静かに先輩の背中を眺めていた。
陽に当たった先輩の薄い茶色の髪の毛が輝いて揺れている。ここにいる先輩は、今にも天へ登ってしまいそうな天使。
くるりと回るダンスをした先輩と目があった。
「わっ! いたんだ。声かけてくれればいいのに。来てくれたんだね、一緒にご飯食べよ」
隅の方に先輩のカバンが置いてあって、その辺りにふたりは座った。
並んで座るだけでドキドキしてきて倒れそう。ゆっくり深呼吸してその心臓の鼓動の速さをどうにか落ち着かせようとした。
とりあえず、さっき買ったクリームパンの袋を開けてひとくち食べた。
「今歌っていたのって、新曲ですか?」
「そう。この歌のファルセットが難しくて……」
先輩は学校でも練習していたんだ。
新しい先輩を知って、ちょっと特別な気持ち。