人気イケメンダンスグループのボーカル担当『天野先輩』に溺愛されました。
 買ってきてくれたものをいくつか、木目調のローテーブルに並べ、私たちは白いソファの前に座った。

 1mぐらいあるテーブルの幅の角と角にそれぞれ座って、もちろん距離も保った。菌にとって、そうする意味はなさそうだけど。

 パーティーと言ってはみたものの、一瞬で並べたプリンとアイスクリームは完食。クリームパンを一緒にそれぞれ食べていた時、スマホをいじり出した先輩を見て、自分のスマホが手元にないことに気がついた。

「あっ、スマホ2階に置きっぱなしだ。持ってきます!」

 私は2階に駆け上がる。
 
 あれ? どこに置いたっけ?
 たしか慌ててどこかに置いて……。

「そういえば、写真集でどこのページがよかった?」

 後ろを振り向くと先輩がついてきていた。先輩の視線は机の上に立てて飾ってある写真集。開いてあるページは、こないだメッセージを書いてくれたページ。

「あ、これは……」

 まさかの部屋を見られる展開。
 先輩の視線は写真集にあるけれども、すでに部屋全体の先輩グッズは見られたあとっぽい。

 恥ずかしすぎて入口に立っていた先輩を部屋から追い出そうとした私は、あわてすぎて床にあったクッションにつまずいてよろけた。

 なんと、そのまま先輩の胸元へ。

 先輩をお守りしたときもぎゅっとする形にはなったけれど。その時は先輩が怪我していないか気になっていてそれどころではなく、全くドキドキしなかった。

 だけど今は――。
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