人気イケメンダンスグループのボーカル担当『天野先輩』に溺愛されました。

2*天野先輩が右腕？

　支払いが終わって、ほくほく温かい気持ちになる。早く家に帰って、1ページ1ページ、大切に丁寧に。そして何回も繰り返し読みたい。

　そんなことを考えながら本屋から出た時、事件が起きた。

　なんと、目の前に黒いジャージ上下に、ベージュの帽子を深く被り、白いマスクをしている天野先輩がいた。周りにバレないようにしていても私はすぐに先輩だと分かった。細く高い身長と小さなお顔。そして、こっそりしていても光放つオーラ。

　はしゃいでいる男子高生数人が天野先輩の横を通り過ぎようとしていた。そしてその中にいたひとりが先輩の姿に気が付かないで、思い切りぶつかりそうになっていた――。