人生は虹色
「ところで、夏実ちゃんとはどうなんだ?」



「どうって?」




「あれから順調なのか?」



「順調って!そういう関係じゃねえから。ただの友達だよ」



航兄ちゃんの笑みに嫌気を察しながら、僕は平然と答えた。



「まぁまぁ、照れんなよ」



「いや、照れてないし……」



「そう言えば、夏実ちゃんから聞いたぞ」



「え!何を?」



「オカンとオトンのこと」



「え?」



驚きという衝撃が身体中を走りぬけた。



「俺達と比べられることや親のいいなりになってるってこと!はぁ……お前ってやつわ!自分の想いを親にぶつけるのが、そんなに恐いのかよ!」



「それは……」



航兄ちゃんの言葉にムカッときて、

反論しようかと思ったけど、

言いかけた言葉は喉の辺りで堪えた。



航兄ちゃんは何一つ間違ってない。



むしろ、

改めて気づかせてもらったようで、

僕はたじたじしていた。
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