人生は虹色
初めての反抗
第二章
-初めての反抗-
*
「——えー、明日から冬休みなんだが、ハメ外さない程度に、正月を楽しんでくれ!くれぐれも事故にだけは気をつけるんだぞ……」
「みんな、元気な姿で来年の始業式で会いたいからな!それじゃ、今年も……」
担任の今田が長々と今年最後の挨拶をしている中、窓から見える初雪を横目に、僕は別のことを考えていた。
今日は三者懇談。
担任の今田と母さんを交えて30分もの間、何を話すのだろう。
不安でそわそわする感じに加えて、
険悪感まで覚える始末。
母さんに今田の前で、口うるさく小言を言われるのだろうか。
数時間後の未来が見えるみたいに、
頭の中はそのことでいっぱいだった。
「——じゃあ、今日の面談のトップバッターは一ノ瀬。その次が森本、で次が……」
前々から決まっていた懇談表を今田が読み上げていき、僕は頬杖をつきながら視線を前に向けた。
教壇の上から優しい眼差しで僕とアイコンタクトをとる。
「——それじゃ、また来年だ!良いお年を」
帰りのホームルームが終わり、
クラス中は盛大に冬休み気分に突入した。
何でだろうか。
ヘラヘラするクラスメイト達がムカついてくる。
暖房の効いたぬるっとした室内だってそう、自分の耳に入ってくる雑音や楽しそうに会話する人の声。
全部全部が僕をイラつかせた。