人生は虹色
放課後、
体育館中に響き渡るボールの跳ねる音。
部員達の声に引き寄せられるようにして、僕は海斗たちのことを眺めていた。
下手くそなりに一生懸命、上手くなろうと練習に励んでいる姿を見ては、勇気づけられた気分になっていた。
ギラギラした熱い闘志、それに、
あの頃の僕と違って顔が死んでいない。
海斗たちは部活をやらされている感なんて一切なく、バスケを心から楽しんでいる。
そんな彼らの姿を見ては、
羨ましさが滲み出ていた。
時間も忘れて眺めていたら、
海斗が僕に気づいてやってくる。
満面の笑みを浮かべながら、
物凄く嬉しそうにしていた。
「仁じゃん!来てくれたんだぁ?」
「まぁ……ね」
「正直、来てくれないと思ってたから驚いたよ」
「えっ?その……帰るついでに見物しに来ただけだからさ、じゃあ」
言われたままに来た自分に、
恥ずかしくなったのか、
素直になれない自分に、
また嘘をついたのか分からない。
僕は突発的に、この場から離れようとした。