人生は虹色
*
初春——
すっかりと春の陽気に、
虫たちが顔を覗かせ始めた頃。
雪溶け、春を告げる香りが僕の心をポカポカと気持ちよくさしていた。
今日は部活のない日曜日で、
甥っ子の燈也たちが遊びに来ている。
航兄ちゃんは仕事で、母さんは琴美姉ちゃんを近くの産科医院まで連れて行っていた。
琴美姉ちゃんのお腹もはち切れんばかりに大きくなり、予定日まであともう少し。
僕たちは家族が増えることを何より心待ちにしていた。
待望の女の子ということもあり、
余計に気持ちは高鳴る。
ともあれ、
元気に産まれてきてくれたら、
それだけでいい。
元気な産声を届けてくれるだけで、
生きている喜びを感じとれるから。
航兄ちゃんはいつも以上に、
張り切りながら仕事に向かって行った。
6人家族の大黒柱になるんだから、これからもっと頑張らなきゃダメなんだと自分を奮い立たせて。
初春——
すっかりと春の陽気に、
虫たちが顔を覗かせ始めた頃。
雪溶け、春を告げる香りが僕の心をポカポカと気持ちよくさしていた。
今日は部活のない日曜日で、
甥っ子の燈也たちが遊びに来ている。
航兄ちゃんは仕事で、母さんは琴美姉ちゃんを近くの産科医院まで連れて行っていた。
琴美姉ちゃんのお腹もはち切れんばかりに大きくなり、予定日まであともう少し。
僕たちは家族が増えることを何より心待ちにしていた。
待望の女の子ということもあり、
余計に気持ちは高鳴る。
ともあれ、
元気に産まれてきてくれたら、
それだけでいい。
元気な産声を届けてくれるだけで、
生きている喜びを感じとれるから。
航兄ちゃんはいつも以上に、
張り切りながら仕事に向かって行った。
6人家族の大黒柱になるんだから、これからもっと頑張らなきゃダメなんだと自分を奮い立たせて。