愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
19.俺も同じだから
馬車から降りたあとは、ふたりで王都の街をゆっくりと歩きはじめた。
俺には女性がどんなところに行きたがるのかも、なにをしたがるのかもわからない。ノープランで挑めるはずもないので、プレヤさんに探りを入れた。
だけど、返ってきた答えは『クラルテならどこに連れて行っても喜ぶよ』というまったく参考にならないものだったので俺は大いに頭を抱えてしまった。
曰く、プレヤさんのデートは室内が主らしく(なにをしているのかはあえて聞いていない)……というか、女性と外で会うことはほとんどないそうで、聞かれても困るとのことだ。
結局俺は、兄たちの話や雑誌の特集なんかを参考に、オーソドックスなプランを選択することにした。
おもむろに街を歩いて店を見て回り、昼になったら女性――特に貴族に人気のオシャレな店でランチを食べる。斬新さのない普通のデートだ。
だけど、たったそれだけのことでも、クラルテはとても喜んでくれた。なにを見ても、どこに行っても楽しそうに笑ってくれるし、友人たちにも教えてあげたいと魔法で写真を撮ってまわる。料理だってひと口食べるごとに幸せそうな表情を浮かべてくれるので、見ていてちっとも飽きなかった。
俺には女性がどんなところに行きたがるのかも、なにをしたがるのかもわからない。ノープランで挑めるはずもないので、プレヤさんに探りを入れた。
だけど、返ってきた答えは『クラルテならどこに連れて行っても喜ぶよ』というまったく参考にならないものだったので俺は大いに頭を抱えてしまった。
曰く、プレヤさんのデートは室内が主らしく(なにをしているのかはあえて聞いていない)……というか、女性と外で会うことはほとんどないそうで、聞かれても困るとのことだ。
結局俺は、兄たちの話や雑誌の特集なんかを参考に、オーソドックスなプランを選択することにした。
おもむろに街を歩いて店を見て回り、昼になったら女性――特に貴族に人気のオシャレな店でランチを食べる。斬新さのない普通のデートだ。
だけど、たったそれだけのことでも、クラルテはとても喜んでくれた。なにを見ても、どこに行っても楽しそうに笑ってくれるし、友人たちにも教えてあげたいと魔法で写真を撮ってまわる。料理だってひと口食べるごとに幸せそうな表情を浮かべてくれるので、見ていてちっとも飽きなかった。