愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
「こっちだ。魔法陣に乗れば、ここから出られる! 急いで!」
誘導をしながら、火元へ向かって水魔法を放つ。俺ひとりでは、どうしたって効率が悪い。普段は単独で動くことがないし、どちらも優先順位が高いとわかっているから割り切れない。
(どうする? 負傷者や逃げ遅れた人がいないか確認しなければならないが……火を消さなければ被害が拡大する)
「旦那様!」
「クラルテ!?」
そのとき、クラルテの声が聞こえてきた。振り返ることはできないが、間違いなく彼女はここにいる。
「避難誘導はわたくしがします! 状況報告もわたくしが! 旦那様は消火に専念してください!」
「けれど、おまえは後方部隊で、俺たちのように救助のための訓練もしていないのだし……」
「今日のわたくしは非番です! 現場に乗り込んだからといって文句を言われる筋合いはありません! それに、こちらのほうが明らかに効率が良いとわかっているのです! どうかわたくしを使ってください!」
クラルテは会話を続けつつ、人々を誘導し続けている。ここは彼女の言うとおり、消火に専念すべきだろう。
誘導をしながら、火元へ向かって水魔法を放つ。俺ひとりでは、どうしたって効率が悪い。普段は単独で動くことがないし、どちらも優先順位が高いとわかっているから割り切れない。
(どうする? 負傷者や逃げ遅れた人がいないか確認しなければならないが……火を消さなければ被害が拡大する)
「旦那様!」
「クラルテ!?」
そのとき、クラルテの声が聞こえてきた。振り返ることはできないが、間違いなく彼女はここにいる。
「避難誘導はわたくしがします! 状況報告もわたくしが! 旦那様は消火に専念してください!」
「けれど、おまえは後方部隊で、俺たちのように救助のための訓練もしていないのだし……」
「今日のわたくしは非番です! 現場に乗り込んだからといって文句を言われる筋合いはありません! それに、こちらのほうが明らかに効率が良いとわかっているのです! どうかわたくしを使ってください!」
クラルテは会話を続けつつ、人々を誘導し続けている。ここは彼女の言うとおり、消火に専念すべきだろう。